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新会社法Q&A

Q1 なぜ会社法制の大幅な見直しをするのですか。

 最近の社会情勢の変化に対応するため、会社法制の各種制度の見直しが必要となっており、また、国民に分かりやすい法制とするため、片仮名・文語体の表記を平仮名・口語体とした上で、再編成することが必要となったっからです。

解説:口語体とした事で、一般の人にも条文が理解しやすくなった。


Q2 会社に関する各種制度の見直しとは、どのようなものですか。

 株式会社と有限会社の統合及び最低資本金制度の見直し、株式代表訴訟の合理化、会計参与制度の創設、組織再編成行為にかかる規律の見直し並びに新たな会社類型の新設等を行うものです。

解説:会社の関する法律が一本化され、さらにわかりやすくなった。


Q3 会社に関する各種の見直しは、どのような理念に基づいて行われているものですか。

 会社法は、利用者の視点に立った規律の見直し、会社経営の機動性・柔軟性の向上、会社経営の健全性の確保等をその目的をしています。これらは、いずれも企業価値を高め、株主の利益を最大することに資するものであり、会社法の創設に当たっては、このような理念に基づいて、会社に関する各種制度の見直しを行っています。


Q4 大会社のコーポレート・ガバナンスについては、どのような見直しが行われるのですか。

 会社法では、(1)すべての大会社において、取締役の職務の執行が法令や定款に適合することなど、会社の業務の適正を確保するための体制(いわゆる「内部統制システム」)の構築の基本方針を決定することを新たに義務付けることとするとともに、(2)株主総会における取締役の解任決議の要件について、これまでの特別決議から普通決議に緩和することとするなど、大会社における適正なコーポレート・ガバナンスの確保のための措置を講じています。。

コーポレート・ガバナンス
 企業統治のこと。


Q5 中小企業のコーポレート・ガバナンスについては、どのような見直しが行われるのですか。

 会社法では、(1)会社の規模に関わらず、監査役は、原則として業務監査権限を有するものとし、業務監査権限を有する監査役が置かれていない会社については、株主による取締役の違法行為に対する差止請求権の行使要件の緩和など株式が会社の業務執行を直接監督する仕組みを設けるとともに、(2)会計参与制度の創設などの計算書類の適正性を確保するための仕組みを設けるなど、中小企業における適正なコーポレート・ガバナンスの確保のための措置を講じています。


Q6 株式会社と有限会社の統合とは、どういうことですか。

 株式会社と有限会社とを新たな会社類型として統合することにより、現在有限会社にしか認められていない、取締役の人数規制や取締役会・監査役の設置義務のない株式会社を認めることとしたものです。なお、既存の有限会社については、現行の有限会社に関する規定の適用を受け続けることもできることとし、負担がかからないように配慮することとしています。

解説:有限会社と株式会社が一体化され有限会社は以後設立不可能になる。


Q7 会社法施行時に設立されている有限会社は、どうなるのですか。

 会社法の施行時に既に設立されている有限会社、すなわち有限会社法上の有限会社(旧有限会社)は、会社法施行後は、会社法上の株式会社として存続することとなります。そのために、定款変更や登記申請等、特段の手続は必要ありません。

 ただし、有限会社法の規律と会社法の規律とでは異なる部分があることから、旧有限会社の社員、経営者、債権者等に混乱が起きないようにするため、有限会社法に特有の規律については、引き続きその実質が維持されるように特則を置き、その商号についても「有限会社」の文字を用いることとしています。

 なお、会社法施行後の旧有限会社の取扱いにつきましては、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律2条から46条までにおいて規定しています。

解説:既存の有限会社は特例有限会社として存続する。


Q8 旧有限会社が通常の株式会社へ移行するには、どのような手続によることになるのですか。

 会社法施行時に既に設立されている有限会社は、会社法施行後も有限会社法に特有の規律については、その実質が維持されることとなりますが(Q7参照)、このような旧有限会社が通常の株式会社に移行するためには、(1)定款を変更してその商号を「株式会社」という文字を用いたものに変更するとともに、(2)定款変更の決議から、本店所在地においては2週間以内、支店所在地においては3週間以内に、当該旧有限会社についての解散の登記及び商号変更後の株式会社についての設立の登をすることが必要になります。

解説:組織変更の登記をすることで株式会社へ。


Q9 会社設立時の出資額の規制については、どのような見直しが行われるのですか。

 現在、株式会社の設立には1000万円(最低資本金)以上の出資が必要とされていますが、より容易に株式会社の設立ができるようにするため、この出資額の規制を撤廃することとしています。

解説:(理論上は)資本金1円からでも株式会社が設立可能になった。


Q10 最低資本金の規制を撤廃することにより、会社の濫設等の弊害が生じ、株式会社制度の信頼が損なわれることはないですか。

 最低資本金制度を撤廃することにより、株式会社を設立が容易になることは確かですが、設立された会社の法人格が濫用される事態への対応策は、設立が容易になるか否かに関わりなく必要なことです。もし、株式会社制度が濫用された場合には、判例により認められている法人格否認の法理ほか、役員の対第三者責任の規定により、適切な解決が図られることになります。

解説:株式会社設立のハードルが下がるからといって信頼性が失われるわけでない。


Q11 株式会社の設立の手続きについては、出資額規制の撤廃のほかに、どのような見直しが行われるのですか。

 株式会社の設立手続については、出資額規制の撤廃のほかに、その簡略化、合理化の観点から、(1)発起設立の場合における払込金保管証明の撤廃のほかに、(2)検査役の調査を要しない現物出資・財産引き受けの範囲の拡大等の見直しをすることとしています。

払込金保管証明
 株式会社の設立登記をする際に設立に際しての払込金が実際に存在していることを証明するためのもの。金融機関に出資金を入金し証明書を発行してもらう。


Q12 会計参与制度とは、どのような制度ですか。

 会計参与制度とは、主として中小規模の株式会社の計算書類の適正さの確保に資するための制度です。

 会計参与とは、株式会社につき新たに設けられる機関(役員)であり、公認会計士又は税理士の資格を持つものとして取締役と共同して計算書類を作成すること等をその職務とするものです。

 会計参与は、株式会社の規模に関わらず、任意に設置する事ができる機関であり、計算書類の作成だけでなく、会社とは別に計算書類を保存し、株主や債権者に対して、これを開示する義務を負っています。

解説:会計のスペシャリストを導入する事で財務の信頼性を担保することができる。


Q13 会計参与を設置する事ができる会社の種類は、限られているのですか。

 株式会社であれば、その規模や期間設計のいかんにかかわらず、定款で、会計参与を設置する旨を定めることができます。なお、どのような株式会社であっても、会計参与を設置することを義務付けるられることはありません。


Q14 株主代表訴訟については、どのような見直しが行われるのですか。

 株主代表訴訟については、原告として会社に対する訴訟訴訟を起こした株主が株式交換等が行われたことによりその会社の株主たる地位を失っても、その会社(被告)の完全親会社の株主となるなど一定の場合には原告的確を失わないこととするほか、株主が自己の不正な利益を図るために提訴する場合など株主代表訴訟を提起することが出来ない場合についての規定を明確化するなど、その制度を合理化することにより、株主全体の利益の保護を実現しようとしています。

株式交換
 株式の全部を他の株式会社などに取得させて、他の株式会社などの完全子会社となること。


Q15 株主代表訴訟の提起が制限されるのは、なぜですか。

 従前、自らないし第三者の不正な利益を目的とするような不当な訴えが提起される場合もあったにもかかわらず、商法にはその旨の規定を欠くため、このような訴えを排斥するためには、訴権の濫用等の一般条項に頼らざるを得ませんでした。しかし、一般条項の適用は、適用範囲が不明確であるなどの問題があることから、従前、訴権の濫用とされていたものの一部を類型化した上で明示に規定することとしたものです。


Q16 会社の組織の再編については、どのような見直しが行われるのですか。

 会社の組織再編については、合併等対価の柔軟化、簡易組織再編行為の要件の緩和、略式組織再編行為の創設(支配関係にある会社間の組織再編においては、被支配会社の株主総会決議を省略)など、株主・債権者の保護を図りつつ、機動的な組織再編を実現することとしています。


Q17 合併等対価の柔軟化は敵対的買収を容易にしかねないものではないですか。

 合併は、当時会社双方の経営者が交渉をした上で合併契約を締結し、原則として株主総会において特別決議による承認が必要であり、常に友好的に行われるものであって、情状株式が現経営者の意思に反して買い集められる、いわゆる敵対的買収とは次元が異なる問題です。したがって、合併等対価の柔軟化そのものは、法律的・論理的に、敵対的買収を増加させるものではなく、あくまで中立的なものです。

敵対的買収
 買収先の取締役会等の事前の同意がないにもかかわらず、株式市場や既存の株式を買い集めて企業を買収すること。


Q18 合併等対価の柔軟化に関する部分の施行について、その他の部分の施行の1年後としたのは、なぜですか。

 会社法のうち、いわゆる合併等対価の柔軟化に関する部分については、その他の部分の施行の1年後に施行することとされています(会社法附則4項)。

 これは、合併等対価の柔軟化が行われることによって合併がより行いやすくなるため、どの前段階として株式を買い集めて企業を買収しようとする投資意欲が増大し、その結果として企業価値を損なうような敵対的買収も増加するのではないかという懸念の声があることにかんがみ、各会社に対して、その1年後の間に開催される定時総会において定款変更を要する企業防衛作を採用する機械を保障するために講じられた措置です。

解説:合併等対価の柔軟化に関する部分についての施行は1年後。


Q19 新たに新設される会社類型は、どのようなものですか。

 出資者の全員が有限責任社員であり、内部関係については民法上の組合と同様の規律(原則として、社員全員の一致で定款の変更その他の会社の在り方の決定が行われ、各社員が自ら会社の業務の執行に当たるという規律)が適用される会社類型を新設し、創業の活性化等を図ることとしています。

有限責任
 会社などへ出資したものが、その出資した額についてのみ責任を負うこと。現行制度上では株式会社の株主、有限会社の社員及び合資会社の有限関に社員について有限責任が認められている。


Q20 合同会社は、株式会社とはどのような違いがありますか。

 合同会社と株式会社は、いずれも社員又は株主が有限責任とされている点で共通しています。このため、会社と第三者の関係では、配当規制や債権者保護手続について、ほぼ同様の規制が適用されることとなっています。

 他方、株式会社と合同会社では、(1)会社内部関係の規律の強行規定性について、株式会社においては、株主総会に加えて、取締役等の機関を設ける必要があるほか、株主の権利内容も、原則として平等原則が適用され、これらの規律は強行規定とされているのに対し、合同会社においては、組合と同様に、広く契約自由の原則が妥当するために、機関設計や社員の権利内容等については強行規定がほとんど存在せず、広く定款自治にゆだねられていること、(2)持分の譲渡に関する規律がについて、株式会社においては、株式の譲渡自由の原則が採用されているのに対し、合同会社においては、持分の譲渡は他の社員の全員の一致が要求されるなどの違いがあります。

解説:合同会社は株式会社より内部自治の自由度が高い。


Q21 商号についてはどのような見直しが行われるのですか。

 会社法では、会社の商号について、他人が登記した称号と同一・類似の商号については、同一市区町村内において、同一の営業のために登記することができないという規制(いわゆる「類似商号規制」)について、会社の設立手続を簡略化するなどの観点から、廃止することとしています。

登記
 民法・商法上の権利や事実関係を明確にするために、一定のことがらを公の帳簿である登記簿に記載すること。


Q22 国会において、どのような部分が修正されましたか。

 衆議院において、以下のような修正がされました。

 第1に、原案では、いわゆる利益供与行為に関与した取締役等は、その職務を行うについて注意を怠らなかった事を証明した場合は、利益供与行為に係る責任を負わないことを規定しておりましたが、修正により、利益供与行為に関与した者の討ち、当該利益供与行為自体を行った取締役等については、無過失責任が維持されえることとなりました。

 第2に、原案では、定款に定めがある場合には、自己株式を、株式買取請求等により取得した数を限度として、市場取引により売却することができる胸の規定を置いておりましたが、修正により、当該規定が削除され、市場取引において自己株式を売却することは引き続き禁止されることとされました。

 第3に、原案では、株主が訴えの提起を請求できない場合の要件の1つとして「当該訴えにより当該株式会社の正当な利益が著しく害されること、当該株式会社が過大な費用を負担することとなることその他これに準ずる事態が生じることが相当の確実さをもって予測される場合」と規定しておりましたが、修正により、当該要件が削除されました。  


Q23 施行日はいつですか。

 会社法の施行期日は平成18年5月1日です。
 なお、いわゆる合併の対価等の柔軟化に関する部分については、さらに、それの1年後である平成19年5月1日から施行されます(Q18参照)。  


Q24 会社法が施行されると、有限会社はどうなりますか。

 会社法施行により、現行の有限会社は廃止されますが、現行の有限会社は、法律上は会社法上の株式会社となります。その際には、原則として、登記などの特別の手続は必要ありません。

 もっとも、現行の有限会社は、会社法上の株式会社となるといっても、従前どおり「有限会社」という商号を用いなければならないなど、現行の有限会社法による規律の実質の多くが維持されます。

解説:法律上株式会社となっても「特例有限会社」として、なお「旧有限会社法」を運営の根拠とします。
 


Q25 会社法が施行されると、株式会社はどうなりますか。

 会社法が施行されると、現行の株式会社は、会社法上の株式会社となり、新株の発行など個別の事項について現行商法の規定が適用される場合でない限り、会社法の適用を全面的に受けることになります。

 その際、多くの会社においては特別の手続は必要とされませんが、大会社である場合や特別な内容の株式を発行することとしている場合などには、当期や役員の選任の手続などが必要となることがありますので、注意が必要です。



※引用文献:使える・使おう会社法(法務省)



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